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四間飛車の独学方法


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四間飛車(角道を止めるノーマル四間飛車)の独学方法をご紹介します。

最初は変化手順が少ない入門書を探します。

1冊目の本としては『1手ずつ解説する四間飛車』がおすすめです。棒銀、4五歩早仕掛け、居飛車穴熊、右四間飛車の指し方が学べます。

本書は入門書ですが、最新の定跡が盛り込んでいるのでベテランの四間飛車党でも楽しめます。

1冊目は手順を追うだけで精一杯

1冊目の本から手順がスイスイ頭に入る人はまれです。

憶えられなくても実際に駒を並べながら読んでいきます。

筆者はiPhoneに「将棋棋譜入力 Kifu」というアプリを入れて、画面上で駒を動かしながら読んでいます。

分岐の保存や特定の局面に戻す時が楽です。

理解が浅めの段階で実戦で指し始めよう

半分ほど読んだ段階で、実戦で指し始めます。

定跡はうろ覚えなので勝てない対局が続きますし、四間飛車の場合、特に対策が多いため、本とは全く違う展開になるでしょう。

負けることをおそれて、実戦経験を避けてしまうと、習得することは難しくなります。

戦法は指さないと憶えないですし、いろいろな負けパターンを体感することは重要です。

定跡書、実戦・検討を両方の経験を重ねていく

実戦である程度指したら、再び同じ本を読み直します。

2周目は形に慣れて、読みやすくなっているはずです。

また実戦で試します。

このプロセスを何度も繰り返します。

実戦の後は対局の検討をして、迷った局面は対局直後に変化手順を検討しましょう。

変化手順は形勢判断を自分で考えます。

戦型の理解がだんだん深くなっていき、定跡書には解説されていない地味な手(歩の動きなど)の重要性に気がつくようになってきます。

実戦で本のような変化手順にならないからといって、焦って別の本を買うのはおすすめしません。

これはかつての筆者が陥った間違いです。

別な本を買っても結局同じ変化に遭遇しないからです

四間飛車に関していえば定跡書と同じ局面に遭遇するのはまれ

四間飛車に関していえば定跡書と同じ局面に遭遇するのはまれです。

実戦は対戦相手がひねってくるので未知の局面になります。

四間飛車は対策が多いので、本だけではカバーできないです。

例外として右四間飛車VS四間飛車は同じ局面が出やすいです。

戦法や戦型によっては研究が活きる場合があります。

2冊目『四間飛車がわかる本』

2冊目は高野秀行さんの『四間飛車がわかる本』です。四間飛車の名著かつ必読書です。

急戦にしぼった本で、変化は少なめなので読みやすいです。

最大の特徴は四間飛車を題材に中盤以降の考え方が解説されている点です。これは他の戦型を指す時も役に立ちます

手順は難解な変化は避けている工夫がされています。

3冊目『四間飛車上達法』

3冊目は藤井猛さんの『四間飛車上達法』。

藤井さんは独創的な戦法を編み出すクリエイターです。棋界トップの四間飛車の使い手としても有名です。

本書は四間飛車を例に取りながら将棋のエッセンスを解説しています。

定跡書というより「考え方のレクチャー」に近く、変化手順は少なめなので読みやすいです。

仕上げは『四間飛車を指しこなす本』シリーズ

仕上げは同じく藤井猛さんの『四間飛車を指しこなす本』の3冊シリーズ。(1)を見ると2000年に発行されています。もう古い本に入りますが、筆者はいまだに本書を読み返しています。その度に発見がある本です。「指しこなす」シリーズは次の一手問題集と定跡書をミックスしたスタイルです。

古い本なので定跡が今とは違います。

ですが、考え方や部分的な手筋は今も有効です

5筋位取り定跡は四間飛車らしい

『四間飛車を指しこなす本』シリーズで個人的には5筋位取りの定跡が勉強になりました。

攻め込まれながら、反発する定跡手順は四間飛車らしいと言えます。

相手の力を利用して技をかける感覚です。

駒損をしてさばく手順もあり、定跡を知らないと指せない手が出てきます。

5筋位取りは『四間飛車を指しこなす本(3)』『四間飛車 序盤の指し方完全ガイド』に指し方の例がのっています。

ミレニアム対策の指し方

アマチュアでは四間飛車対策に人気のあるのがミレニアム戦法です。

普通に駒組みをしていると、ガチガチに固められ猛攻されます。

いくつか対策がありますが、左金を前線に出して押さえ込む指し方があります。

羽生善治さんの『現代調の将棋の研究』(浅川書房)や井出隼平さんの『現代後手四間飛車のすべて』(マイナビ出版)で紹介されています。

ただし玉形を薄くして戦うので、力がいる指し方だと思います。振り飛車というより居飛車に近い将棋です。

逆に言えば、ここまで無理をそないとミレニアムには勝ちにくいと言えます。

他にはダイヤモンド美濃に組んで戦う方法、振り飛車側もミレニアムに囲って戦う方法があります。

いずれにせよミレニアムは美濃囲いにして捌きあう展開ですと堅さ負けします。

丁寧に押さえ込む指し方が必要です。

四間飛車は覚えるべき定跡は多いが、逆に独学しやすいとも言える

角道を止めるノーマル四間飛車は現在ではプロで指す人は限られています。しかし過去の対戦の蓄積があり、多くの定跡が蓄積されています。

四間飛車は対策が多いのも特徴です。

これは学ぶことが多いので勉強コストが高い、最短で初段になりにくい、対策が多いというデメリットがあります。

しかし逆に言えば学ぶべきお手本が多く、将棋のエッセンスを習得しやすく、独学には適していると言えます。

また受け主体の戦法なので受けの力が強くなります

初段以降の伸びしろがあります。

最短で初段を目指してもそこから伸びないと意味がありません。

じっくり初段を目指したい方には四間飛車はおすすめです。

以下、おまけとして初段以降の勉強法もまとめておきます。

最新四間飛車の本

『現代後手四間飛車のすべて』はエルモ囲い、ミレニアム、銀冠穴熊、居飛車穴熊などの最新の対策法が紹介されている本です。読者対象はアマ3段以上くらいが目安です。

その他、初段以降でおすすめの本

上級者向けの四間飛車の本だと、藤井猛さんの『四間飛車の急所』4冊シリーズがあリます。級位者の頃に読んで挫折して、初段の時に再度読み直しをしましたが、難しく感じました。

特に『四間飛車の急所』で必読なのは(2)と(3)の急戦大全です。
入門書では解説されていない序盤の基礎がしっかりかかれています。(2)と(3)が読破できればアマ4段くらいの棋力はあると思います。

居飛車党の先生が書いた四間飛車破りの本も参考になります。

渡辺明さんの『四間飛車破り』は急戦編と居飛車穴熊編の2冊が出ています。

急戦編は『四間飛車の急所』より難し目でアマ3段くらいの棋力が目安です。居飛車穴熊編は居飛車穴熊を指す人は必読書です。

森下卓さんの『完全版 森下の対振り飛車熱戦譜』は『森下の四間飛車破り』と『森下の対振り飛車熱戦譜』の2冊を合わせて復刊したもので四間飛車を指す側にも大いに参考になる本です。

四間飛車と相性の良い戦法も学んでみよう

筆者は四間飛車以外ですと、右玉、左玉、矢倉、雁木を勉強しました。

受けの戦法として感覚が共通しています

右玉は本が少ないので、勉強の負担になりにくく四間飛車党におすすめしたい戦法です。

以前は相手が振り飛車の場合、相振り飛車を指していましたが、今は右玉で対抗しています。特に中飛車には右玉がおすすめです。

棋譜並べをしてみよう

初段以降になったらプロの棋譜を並べてみましょう。

実戦ではお互い相手の狙いを消して指してくるので、定跡書より爽やかでない展開になります。ひねった手も多くなります。

棋譜データベースサイトに行くと戦型別に棋譜を検索することができます。筆者の場合、棋譜データベースサイトから棋譜データを取得して、「Kifu for Windows」というフリーソフトにデータをペーストして、「棋譜用紙に印刷」して駒を並べています。

棋譜並べの教材だと『四間飛車名局集』『大山康晴名局集』もおすすめです。

棋譜を並べていき、自分なりに形勢判断をしながら、指し手の意味を自分なりに考えていくのは楽しい作業です。


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独学で初段を目指す方向けに書いています。様々な勉強法や次の一手問題を発信します。
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