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初段を目指す勉強分野(序盤・中盤・終盤)の時間配分

以前「初段になるための将棋の勉強方法」で初段を目指すための独学方法をまとめましたが、今回は時間配分の観点から初段を目指す勉強方法をまとめます。

将棋の勉強分野は序盤・中盤・終盤に分けられます。定跡書は序盤力をつけるものです。定跡書によっては中盤、終盤まで解説されている本もありますが、多くは序盤の解説がメインです。

アマチュアの場合、将棋に割ける勉強時間は限られます。序盤・中盤・終盤の全てを勉強できれば理想ですが、現実的ではありません。

終盤の勉強を最優先する

終盤は流行がなく、終盤の技術は古くなりません。
投資価値が高いと言えます。

テレビ将棋の解説でも終盤になると、解説のプロ棋士の指し手予想が当たり始めます。プロレベルだと終盤は正解手がはっきりしてくるのです。

初段を目指す場合、終盤の勉強に時間とリソースを割きましょう。具体的には7手詰が解けるレベルを目標にしましょう。7手詰が解けるようになると読める本が増えます。

終盤の基本書を読んでみよう

『終盤戦のストラテジー』は終盤の入門書・基本書として一番のおすすめです。
実戦を経験したら、本書を読んで行くと身に付きやすいです。

5手詰が解けるようになったら必至の勉強

5手詰めが解けるようになったら、「必至」を勉強します。実戦では詰ますことより、相手玉が受けの利かない形に持っていき、勝つことが多いからです。

必至は『寄せが見える本 〈基礎編〉』『寄せの手筋200』の2冊がおすすめです。必死は詰将棋より読む量が多くなり、難易度が高いです。

『寄せの手筋200』は応用問題の難易度が高く、7手詰が解けるレベルでも難しく感じるかもしれません。実際に盤と駒を並べながら読んでいくと良いでしょう。

7手詰に慣れてきたら『羽生善治の終盤術』シリーズに挑戦

7手詰に慣れてきたら、終盤力の向上に磨きをかけていきます。次の一手問題集である『羽生善治の終盤術(1)』と『羽生善治の終盤術(2)』を解きます。終盤の感覚を養う本です。

羽生善治の終盤術は(3)まで出版されています。(1)が一番難しく7手詰が解けるレベルの読者層を想定しています。実際の公式戦を題材に、中盤の終わりから終盤までの局面を扱っています。

(2)は(1)より易しめで公式戦を題材に終盤の寄せ方の基本を習得します。(2)を先に読むと良いでしょう。

序盤の勉強法

序盤は定跡書や戦法書を読みます。個人的にもっとも好きな分野です。

大変なのは序盤は流行や研究があって常に変化していくことです。毎月のように新戦法の本が発売され、序盤のベストな指し方は常に変化しています。

プロの世界ではコンピューター将棋の指し方を取り入れる棋士が多くなり、新しい仕掛けや囲い方が登場しています。

マニアの人はプロの最新の棋譜を見て、研究している人もいます。

序盤はコンピューター将棋の影響もあり、知識の陳腐化が早くなっており、勉強コストが高いです。

筆者は定跡書を読むのが好きで、戦法を絞らずに、実戦で指さない戦法も読んでいました。推理小説を読むように面白いのですが、時間を食います。

一方で詰将棋や必至をまったく勉強しませんでした。道場にいっても序盤でポイントをあげるのですが、終盤で逆転負けの展開が多かったです。

それでも定跡書ばかりを読んでいました。
これは間違った勉強法でした。

勉強すべき戦法を2つに絞る

初段までは、序盤の勉強はほどほどに抑えます。
勉強する戦法を絞ることが重要です。

得意戦法は多くても2つ(先手番と後手番でそれぞれ)に絞り、狭く定跡書を読んでいきましょう。

戦法の定跡の過去の指し方から、現代の指し方まで定跡の変遷を学んでいくと、序盤に精通してきます。

中盤の勉強法

中盤は実戦を通して勉強できます。

対局が終わったら、初手から最後まで見直します。

迷った局面や勝敗を分けたであろう局面があるはずです。その局面は変化手順を調べてください。変化手順の先では形勢判断を行います。

形勢判断は自分で考えると対局観を養うことができます。

関連記事:「形勢判断のやり方」

中盤は手が広く、形勢が大きく動きます。

自陣の整備をするか、仕掛けるか、手抜いて攻めあうか、受けるかなどの決断が要求されます。この時、重要になるのが形勢判断です。

序盤は得意戦法を絞って定跡書をある程度読んでいけば失敗は少ないです。終盤もあるレベルまで鍛えると差が縮まります。

勝敗の鍵を握っているのが、中盤と言えるでしょう。

中盤で大きくポイントをあげることで、運頼みの終盤戦を減らすことができます。

本ですと『天彦流 中盤戦術』は中盤を解説した数少ない本です。


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独学で初段を目指す方向けに書いています。様々な勉強法や次の一手問題を発信します。
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