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形勢判断のやり方

形勢判断は自分が指す時だけでなく、対局後の検討や、観戦する時、定跡書を読むときにも使います。特に時間をかけたいのは対局後の検討です。様々な変化手順を調べて自分なりに形勢判断をする癖をつけると力がつきます。

形勢判断は下記項目を総合的に考えて判断します。同じ局面でも人によって判断が分かれる場合があります。互角や形勢不明の局面も多いです。

  • 駒の損得
  • 玉形の差(堅さ・遠さ)
  • 駒の働き
  • 手番

駒の損得

「駒割り」ともいいます。

序盤・中盤は駒の損得が重要になってきます。とくに序盤は歩一枚の差でも大きいです。

駒の損得は自陣の駒と持ち駒だけを数えればわかります。

具体的な数え方は頭の中で駒を初期配置に戻す方法があります。これで何が多いか、足りないか、交換しているかがわかります。

このクレバーな方法は『天彦流 中盤戦術』で紹介されている方法です。

最初は数えるのに時間がかかりますが、慣れていきましょう。

終盤では駒の損得にこだわらないように

駒の損得で注意したいのは終盤です。将棋は終盤になると価値観が変わります。駒の損得の重要性は大きく下がります。角や飛の大駒の価値も下がります。

終盤は何の駒が重要なのかはその局面で変わりますので、その局面で渡していい駒とそうでない駒を意識してください。

玉を捕まえるために、駒を捨てないと負けてしまう局面もあります。駒得したけど速度が遅くなる場合もあります。

序盤では重要項目

駒の損得が大きいのが序盤です。歩1枚を無条件で取られてしまうと、相手の攻め筋や受け筋が広がり不利になります。特に自分が歩切れで、相手だけ一歩を持っている展開は避けたいです。

玉形の差(堅さと遠さ)

玉形の差(堅さや戦場からの遠さ)を確認しましょう。玉の安全度とも言います。これは相手玉との比較なので、自分が美濃囲いで堅くても、相手が穴熊だと堅さで負けているということになります。

また金銀が玉のそばにいるか、金銀の連携は良いか、陣形にキズはないかを確認します。形が悪ければ整える手を指すのも有力手です。

囲いが堅くても玉の近くで戦いが起こると不利です。例えば相振り飛車で穴熊に組んだ場合、玉頭を直撃される展開になります。同じ穴熊でも「振り飛車対居飛車の対抗形」の時の穴熊とは遠さがまったく違います。

駒の働き(駒の効率)

遊び駒がないかどうかです。駒の効率とも言います。

大駒がつかえているかどうか、攻め駒や守り駒はしっかり機能しているかどうかです。

遊び駒がある場合は、活用できる手は良い手になりやすいです。

手番

これは実質的な手番も含みます。例えば「と金」ができた時、このと金が別な相手の駒に当たっている場合は、形式的には相手の手番ですが、相手は受けの手を指さなくてはいけないため、手番を渡さず握っていることになります。

関連記事:「手番と実質的な手番

上記項目を総合的に考える

上記の項目が全て良いことは少ないと思います。

実際は、駒は損しているけど、駒の働きが良いなどです。

プロの将棋の場合、局面のバランスが取れていることが多いため形勢が不明なことが多いです。

プラス、マイナスを総合的に検討して、形勢判断をします。

プロでもどの項目を重視するかによって、形勢判断の意見が変わる場合がよくあります。

将棋を見るときはこの形勢判断を自分なりにやりながら見ると楽しめます。

判断結果を表す言葉

形勢判断の結果ですが、「難解」「互角」「有利」「優勢」「勝勢」というような言い方の他に、先手が「指しやすい」、先手「ペース」、先手を「持ってみたい」という言い方があります。

お互いに主張ポイントがある場合は「不満なし」という表現もあります。つまり「互角」「一局」です。

「勝勢」はよっぽど大きなミスをしない限り勝てる局面で使います。ほぼ必勝に近いです。

「有利」は微差ながらやや指しやすい時に使います。

「優勢」は一手の悪手で互角もしくは逆転になるくらいの差です。

優勢後に勝ちきることが難しい

実戦で注意したいのは「優勢」の局面です。

優勢の場合、一手悪手を指すだけで形勢が逆転します。優勢後に緩い手を指して、逆転されるパターンは多いです。

優勢後も良い手を積み重ねないと勝てないのが将棋の難しさです。

終盤は一手の価値が高く、勝勢に近い優勢でも終盤のミスは逆転になります。終盤の悪手を減らすことは勝率アップにつながります。


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