現代の雁木囲い
雁木囲いは江戸時代からある囲いですが、長らく指されていない囲いでした。コンピューターソフトが指し始め、数年前からプロ棋士の間で有用性が認められ、現代に蘇った囲いです。
下図は従来の雁木囲いです。
この場合、先手が矢倉の場合、2筋の飛車先の交換が可能になり、先手だけ一方的に1歩を持たせる展開になってしまいます。
下図が現代の雁木囲いの一例です。先手番が角換わりや矢倉を採用した時に、後手番で用いることができます。
左の金、銀の位置は決まっていますが、それ以外の形は固定した形はなく、相手の出方に応じて、右の金、銀、角、玉の位置が決まります。
相手が左から攻めてきた場合、下図のように玉を2筋に移動して戦場から遠ざけます。
逆に左側から攻めてきた場合、下図のように玉を右側に移動します。飛車を1段目にひき、右金の位置を6筋に移動して、角打ちなどの隙のない陣形を作ります。
このように現代の雁木囲いは固定した完成形があるのではなく、相手の出方に応じて組んでいき、堅さよりバランス重視の囲いと言えます。
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