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位の効果と位の奪回

位は初段を目指す上で重要な概念です。

5段目に歩を進めること、もしくは5段目に歩を垂らすことを「位を取る」といいます。

(注)位と効果や役割が同じであれば、4段目の歩もあえて「位」と呼ぶ場合があります。ただし通常、4段目の歩は「拠点」と呼びます。ただ、拠点も5段目の歩をあえて「拠点」と呼ぶ場合があり、やはり歩の役割や効果によって使いわけます。一般的には、5段目が位、4段目が拠点です。

位の効果をもっとも理解しやすいのは2枚落ち定跡の「二歩突き切り」と「銀多伝」です。次の図は銀多伝の途中図です。位の効果で先手の玉頭に「厚み」ができています。

下手は序盤で3筋と4筋の位をとりにいきます。さらに4六の銀が2つの位を確保しています。

位をとっただけですと位を取られてしまうので、銀などで位を支える必要があります。「位をとったら位の確保」が基本です。

位の効果

位を取られてしまうと、陣形が押さえ込まれ、駒を動かしにくくなります。位をとると相手の駒組みに制限を与えることができます。位をとることで勢力圏を確保できます。

上図の場合、上手は「2二の銀」が壁になっており、本当は中央に使いたいのです。ただ銀を動かすと「3四歩」と歩を突かれて、角が成られてしまい動かすことができません。

もし、3筋、4筋の位が取られてなければ、自分の歩を盛り上げる陣形で、角筋を遮断し銀を中央に配置できた展開になったと思われます。位を取られない場合、上手は戦いやすくなります。

このように銀多伝の場合、位を取ることで角の働きをよくして、上手の金と銀を動けなくさせているのです。二歩突き切り定跡も同様に3筋と4筋の位を序盤にとり確保します。

位の反発と奪回

実戦で位を取られてしまった場合、位を取り返すのは有効です。次の図は先手が美濃囲いに囲んでいる時に、後手が歩を伸ばして3筋の位を取ってきた局面です。ただし位を支える駒がありません。後手としては次に位を支える援軍を送りたい局面です。

先手はすぐに、▲3六歩と位に反発し、△同歩▲四七金と位の歩を取りに行くのが良いです。位の奪回(位の奪還)です。玉頭近くの位は将来攻めの拠点にもなりますので、油断できません。

この場合先に▲3六歩と歩を突き捨てするのがポイントです。先に▲四七金としてしまうと△3三金▲3六歩△3四金とされて位を支える応援部隊が間に合ってしまいます。

もし玉の近くに位を取られてしまった場合は、上記のように奪回をするか、玉の位置を深くするか、遠くするかの対処が必要です。位をそのままにしておくと攻撃の拠点となって玉に響いてきます。

初段者以上は位に敏感で意識的です。


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